三密・熱中症対策に向けた実証実験において
MEEQによる低消費電力型IoTコンピューティング環境を構築

国立大学法人電気通信大学 様

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国立大学法人電気通信大学は、2021年8~10月に同大学内で実施された新型コロナワクチン集団接種の会場において、CO2センサやAIカメラなどを駆使した環境モニタリングによる三密・熱中症対策の実証実験を行いました。各種センサからデータを集約・可視化するIoTコンピューティング環境を構築するにあたっては、当社のNoCode IoT/DX Platform 「MEEQ」が採用されました。導入に至る経緯や導入後の評価について、同大学の石垣さんに伺います。

国立大学法人電気通信大学 情報学専攻 特任准教授
石垣 陽 さん

課題/ソリューション

課題
  • 期間中を通して無充電で運用可能な低消費電力ネットワークを構築したい
  • 検討から実施までの期間が短く、スピーディーかつ容易に構築したい
  • 専門知識のない方も含め、誰もが容易に操作・監視できるインターフェースが必要
ソリューション
  • 独立系MVNE※ならではの強みを活かし、低消費電力のLTE-M回線を提供
  • 最短で申し込み翌日にはSIM発送、到着後も簡単な手続きでスピーディーに構築可能
  • 直感的で分かりやすいグラフィカルなコンソール画面

※MVNE:Mobile Virtual Network Enablerの略で「仮想移動体サービス提供者」のこと。

プロジェクトの概要・意義

IoTによるCO2濃度の可視化が、
リスク回避のためのナッジ(行動変容)を促す

国立大学法人電気通信大学は、武蔵野の緑豊かな調布市にキャンパスを構え、京王線調布駅から徒歩5分という恵まれた立地のもと、5000名近い学生が学業・研究に励んでいます。
昨今のコロナ禍に際し、同大学では調布市などと連携して感染拡大防止に努めてきました。より感染力の強い「デルタ株」への危機感が高まっていた2021年8月から10月にかけて、学内の体育館・講堂をワクチン集団接種会場として提供。その際、会場内のCO2濃度などをモニタリングして、三密状態や熱中症などのリスク回避に役立てる実証実験を行いました。

実証実験に参加した石垣さんは、その目的を次のように語ります。「本学では、CO2濃度を計測・可視化することで、室内の空気を良好な状態に保つなどの環境ナッジ(行動変容)を促すための研究を続けてきました。その成果を活かし、IoTセンサによるCO2濃度や温湿度などのモニタリングと、AIカメラや人流センサによる人流検知を組み合わせ、総合的な環境センシングによってリスク回避を図ろうと考えたのです」。

この実験で重要なのが、各種センサから得られる多様なデータを一元的に収集・管理するとともに、データを可視化して適切な判断・対策につなげられる仕組みづくり。そのインフラとして採用されたのが、当社の NoCode IoT/DX Platform「MEEQ」でした。

■選定理由①

3カ月にわたる開催期間を通して
無充電で運用可能なIoTネットワークを構築

「システム構築にあたって国内外のIoT向けSIMを比較検討しましたが、その中でMEEQを選んだ決め手は、低消費電力のネットワークが構築可能という点でした」と石垣さんは振り返ります。
今回の実証実験では、各種センサを天井付近も含めた会場各所に設置することから電源の確保が難しく、センサはバッテリー駆動式を選択。複数センサのバッテリー交換は大変な手間であり、約3カ月に及ぶ期間中、無充電で運用できることが望まれたのです。

「MEEQは独立系MVNEであるミーク株式会社(以下MEEQ Inc.)が提供するだけあって、NTTドコモ、KDDI、SoftBankのトリプルキャリアに対応し、省電力かつ長距離での無線通信が可能なLPWA(Low Power Wide Area-network)回線であるLTE-Mにも対応※しています。そこが今回の実証実験に最適なソリューションだと判断した理由です」と石垣さんは語ります。
※NTTドコモ回線のみ対応

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■選定理由②

誰もが容易に監視できるモニタリング環境を、
短期間でスムーズに構築可能

MEEQを選定いただいた理由は、決め手となった低消費電力以外にも大きく2つのポイントがありました。
「1つは、短期間で構築可能なこと。コロナ禍という非常事態だけに、6月から検討を始めて7月下旬には接種を開始するという、非常に短期間での対応が求められました。その点、MEEQはアカウント発行からSIM発注まで、すべてWeb上で手続きでき、最短で翌日には発送されます。SIM到着後もコンソール上でアクティベート(アカウント認証)すれば、すぐに通信が可能。発注手続きや請求書管理などもWeb上でできるので、事務処理面でも非常に助けられました」と石垣さんは語ります。

「もう1つのポイントがユーザーインターフェース。IoTセンサから収集したCO2濃度などのデータをリスク管理に活かすには、グラフなどで可視化する必要があります。期間中は大学のスタッフだけでなく、調布市の担当者なども含めて多くの方が交替で監視するため、専門知識の有無を問わず、誰もが容易に監視し、リスクを判断できる、分かりやすいコンソール画面が必要でした。MEEQは通信データをグループ分けして管理したり、グラフ化したりといった設定がコンソール上で容易にでき、グラフィカルな画面によってリアルタイムに変化する状況を誰もが容易に把握できるのが魅力でした」(石垣さん)。

MEEQの通信を介して収集されたCO2濃度推移グラフ
※実際のMEEQコンソール画面とは異なります。

■評価と今後

IoTによる環境センシングを普及させることで、より良い社会の実現に貢献したい

実証実験を振り返って、石垣さんにシステムへの評価を伺ったところ、「短期間での構築ながら、何のトラブルもなく運営できました。構築時や導入後のサポートもWebで提供されるとのことで安心していましたが、トラブルなく進めることができましたので、結果的に必要ありませんでした。心配していた消費電力についても、一度も充電することなく運用できました。IoTセンサは、場合によっては年単位での無充電運用が求められますが、LTE-M回線が利用可能なMEEQは、幅広いIoTネットワークに適用できると感じました」。

肝心のリスク回避についても「満足できる成果が得られた」と石垣さんは語ります。「CO2濃度などを把握してリアルタイムな行動変容につなげることで、感染拡大や熱中症の防止に寄与できることが実証できました。この成果を他の自治体にも提案し、各地のワクチン接種会場で同様のシステムを導入いただいています。今回の実証実験を通じてIoTの活用法が進化したという印象ですね」との言葉から、本実験が大きな社会貢献を果たしたことが伺えます。

最後に、今後のMEEQおよび当社に対する期待感をお伺いしたところ、「MEEQは以前から興味を持っていたものの、実際に使用するのは今回が初めてでした。使ってみた印象は、MEEQ Inc.ならではの誠実さが感じられる、使い勝手の良いシステムだということ。今回は使用しませんでしたが、IoTストレージ機能などユーザー目線で用意された豊富な機能は、私たちの研究の可能性を広げてくれるものだと感じており、ぜひ、他の実験でも活用してみたいですね」との評価をいただけました。

当社は、今後もこうした研究への参画を通じて、MEEQを活用したIoTによる手軽な環境センシングを広め、人々の行動変容を促し、より良い環境づくり、社会づくりに貢献していきます。

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導入企業様情報

国立大学法人電気通信大学

プロジェクト担当者部署・役職:情報学専攻 特任准教授 石垣 陽 さん
ウェブサイト: https://www.uec.ac.jp/